肩固めは肩を極めているわけではない
村田夏南子というフリーの選手が世界最高峰の格闘技運営団体であるUFCへ参戦することが決まったようですね。
レスリングではあの吉田沙保里と何度か対戦して敗戦していますが、2012年、日本大学に進学、この年の12月に吉田が欠場した全日本選手権で初優勝を果たしています。
いはゆるレスリングエリートですが、2016年から総合格闘技の世界にも参戦しています。
ビデオで見るとストロングファイタータイプ、投げ技がよくてすぐ相手を転ばせることができます。
パンチも荒いけれどどんどん前へ出てくるタイプなので、まだまだ立ち技のレベルは高くないといえども相手は嫌でしょうね。
蹴りはほとんど見られるシーンはなかったですが、まだまだのレベルでしょう。
レスリングの選手だとやはりまずパンチを磨くのが早道でしょうね。
蹴りは難易度高いと思います。
2019年アメリカの女子総合格闘技団体「INVICTA FC」でストロー級の王者になっています。
このINVICTA FCという団体なんですが、元々は女子総合格闘技部門を開設していたStrikeforceという団体が買収され、女子選手たちが試合をする場がなくなるという事情から新たに設立された団体です。
当時まだUFCには女子部門がなかったという事情が重なったわけなんですね。
村田選手、彼女の記事を読んでいると「肩固め」という技を使っています。
この「肩固め」ですが、実は肩と言いながらも、肩を極めている技ではないんですね。
相手の首の頸動脈を絞める技なんです。
その時に相手の片方の腕を上に上げさせて、そのわきの下に腕を入れて、自分の両の腕で締め上げる技です。
柔道だと抑え込みにも使いますね。
この時、肩の関節を極めるのではでなく攻め手の腕で片側の頚動脈を、押し付けられた受け手自身の肩で反対側の頚動脈を同時に絞めるということになるので、より締めをやりやすい、という特徴があります。
また足で絞める三角締めとよく似てもいますね。
三角絞同様に典型的な柔道の技ですが、ブラジリアン柔術でもひんぱんに使われているので、総合の世界でもよく使われる技の一つになっています。
日本の女子のレスリングは世界トップレベルにありますから、そこから総合の世界へ参入していく選手も今後、増えるのではないでしょうか。
とにかく格闘技の世界では日本の女子は相当レベルが高いと思っていて、実はひそかに期待しているんです。
華やかな世界の舞台で活躍してくれることを願っています。