タイトルに惹かれて読んだ漫画の面白いシーン.......「子供はわかってあげない」
最近また漫画をよく読むんです。
そうですね、例えば、「俺はまだ本気出してないだけ」
これは映画を先に観て面白かったので、原作のマンガを読んだわけですが。
それから「鬼滅の刃(1-20)」20巻までは読んで21巻は買ったままの状態。
こちらはキンドルで読みました。
「ハイキュー(1-22)」「紛争でしたら八田まで(1)」「北北西に雲と往け(1)」「狭い世界のアイデンティティー(1)」「本気(マジ)!(1-4)」「かくかくしかじか(1-2)」など。
私の好みに合いそうなものをとりあえず1巻読んでみて、良ければ続けて読む、というのが基本的なスタイルなんです。
そしてタイトルに惹かれて読んでみたのが、田島列島さんの「子供はわかってあげない」
田島さんのマンガでは「水は海に向かって流れる」がとても評判良かったのでこちらをまず先に読みました。
良かったですよ。
「子供はわかってあげない」は、「水は海に向かって流れる」の前に書かれた作品なんです。
1.タイトルに惹かれて読んだ漫画
このタイトル「子供はわかってあげない」って、どういう意味なんだろうとちょっと気になったわけなんです。
普通だと「子供はわかってくれない」となりますよね。
それが「わかってあげない」・・・ですから。
大人の言うことを子どもはわかってくれない、のではなく、より能動的に、子どもは大人の言うことなんかわかってあげないんだよ・・・・といった印象を受けます。
なんでわざわざそのような言い方になるのか?
気になりますよね。
本作は上下2巻、それぞれ180ページ余りですからあっという間に読めます。
というか、面白くて物語に引き込まれるので、それこそあっという間に読めます。
で、なぜ「子供はわかってあげない」のか?
結局わかりませんでした。
でも中盤を大分過ぎて張本古書店の善さんのセリフ「んもー今日はいいもの見せてもらったんだよ・・・少年が男になる瞬間!!」に象徴されているかもしれません。
第20章のタイトルが「Children grow up by understanding」ですからね。
少年少女があるひと夏の経験を通して少し大人になっていく・・・ということでしょうか。
子どもは人のことをわかってあげないけど、人のことをわかってあげられるようになると大人に一歩近づく・・・というような意味があるでしょうか。
ところで漫画のタイトルもそうですが、各章のタイトル(ネームというらしい)も面白いです。
第1章が「書道男と競泳女」どこかで聞いたようなネーミング。確か映画にあったような・・・
第3章「探偵は商店街にいる」もう・・あの映画ですよね。
第7章「セメント・モリ」これは「メメント」かな・・・
第11章「うわさのしんそう」あの雑誌・・・
第13章「カレーは入れ物」・・・飲み物じゃない?!
第18章「ジョニーの遺言」こちらは歌か・・・
といった具合です。
2.漫画の面白いシーン
笑える箇所は随所にあります。
登場人物たちの表情もセリフもいいんですよね。
しかも時々、いやかなりの頻度で笑えます。
この作者の絵の線もいいですね。
シンプル、細めの線、ごちゃごちゃしてない、それでいて表情豊かに見える。
私個人的に最も気に入ってるシーンがあります。
第4章「笑いながら泳ぐ人」の中ですが、片方の主人公の朔田さん(水泳部、高校二年生)が大会で泳いでいるシーン。
クロールで大きく腕をかいている際に、顔が笑っているんです。
大きく口まで開けて。
部員のセリフが「笑ってやがる」「そーいうやつなんだよ」
そして朔田さん自己新を出します。
「タルンドル朔田」と呼ばれて、決して練習熱心という風ではありませんが本番に強いんです。
水泳を楽しんでいるんでしょうね。
あっけらかんとして、とても魅力的な女子に描かれていて、性格の良さが一目でわかってしまう、このシーンが私には印象に残りました。
なんかいいんですよ。
3.漫画のタイトルと映画
そういえばフランソワ・トリュフォーの映画に「大人は判ってくれない」(1959)というのがありましたね。
これはもしかして関連ありそうですね。
映画好きそうな作者ですし・・・
さて、うーん、どういう意味があるのだろう???
しかし作者の田島列島さん。
お顔を拝見したことはありませんが女性のようです。
しかしまた何で「田島列島(たじまれっとう)」??
列島ですからね。
すごいネーミング。
なんなんでしょうね?
何か意味あるのでしょうかね?
「水は海に向かって流れる」は名作でしょう。
しかし、私はこちらの「子供はわかってあげない」の方が好みです。