蝸牛の歩み

日々の雑感を書き留めています

脂質異常と玉ねぎと.....「お江戸やすらぎ飯」

1.脂質異常

 

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数年前、健康診断で「脂質異常」を指摘されました。

 

血液中の中性脂肪や悪玉コレステロールが高く、もしくは善玉コレステロールが低い、という状態のことですね。

 

それまではアルコールをよく摂取するので肝臓の方の値、「Γ-GTP」には注意してましたが、今度は思ってもみなかった「脂質異常」ですよ。

 

この「異常」って言葉が恐怖ですよね。

いや恐ろしい・・・

異常なんですって、この自分が・・・

 

これには危機感を覚えました。

 

しかも脂質異常を放置していると動脈硬化が進み、脳梗塞心筋梗塞などを起こす、そうなんです。

 

嫌なんです・・・「梗塞」って、つまり「詰まる」ということでしょう?

 

血管が詰まってある日、突然、脳の血管がパーンとはじける・・・思わずそういうことを想像してしまいました。

一番嫌な病気の一つです。

救いようがないですからね、そうなったら・・・

 

一瞬で終わり・・・ですもんね。

 

「さあ、これは何とかしなくちゃ」・・・普段、健康には無頓着だった私もさすがに考えました。

 

食生活を見直さねば、と。

 

 

 

2.玉ねぎの日々

 

 

どうもそれまでは麺類を結構、食していて偏った食生活に陥ってしまっていたようです。

自炊するにも麺類は簡単ですからね。

 

うどん、ラーメン、パスタ、調理がほ~んと簡単です。

しかも食費も安く上がるし。

 

でもそんなんじゃダメなんでしょうね。

ジャンクフードはダメですよ。

と、今更ながら思い知らされた私は、あれこれ考えたあげく、手っ取り早く「玉ねぎ」を大量に摂取することを思いつきました。

 

なんせ「玉ねぎ」の効用・効能は素晴らしいんですよ。

 

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玉ねぎは、血液をサラサラにしてくれます。
いいですよね~「サラサラ」その響き! 「サラサラ」! 
そして動脈硬化脳卒中心筋梗塞などの生活習慣病を予防し、また血圧も下げる効果があります。
脂質異常にはこれ以上ない特効薬でしょう!! 
 
ということでそれから私は毎日「玉ねぎ」1個を丸ごと食すことを自分に課しました。
特段、調理を工夫するなんてこともしませんでしたね。
要は玉ねぎを一個食べればいいので、玉ねぎをザクザクっと適当に切ってポン酢をかけて食べる。
これが最もシンプルな食べ方。
あとはそうですね・・・鰹節をかけるとか、マヨネーズをかけるとか。
でもマヨネーズは控えめにしなければそもそも意味がありません。
 
でもさすがに辛かったですね。
毎日毎日どんぶりに刻んだ玉ねぎ一杯にしてほぼポン酢だけで食す。
苦行ですね・・・一種の。
でも、効果はあったと思います。
というか1年後の健康診断では劇的に改善されていましたから。
 
ただ毎日一個はきつくて、2~3か月後からは玉ねぎ半球とか、それから四分の一に、と徐々に減らしては行きました。
 
でもあの頃の集中力というか執念というか・・・、脳梗塞だけにはなりたくないという一心で毎日、涙流しながら(玉ねぎ切るせいですけど)ひたすら詰め込んでましたね~
 
 

3.漢方的な養生食

 

 

本作「お江戸 やすらぎ飯」には、体の不調を訴える人々に合う料理が様々、登場します。

薬膳料理ですね。

 

例えば白飯ばかりでおかずを食べない颯太には、「鰻の蒲焼を使って卵とじに。さらに胃が弱っている颯太でも食べやすいように昆布を使った出汁で湯豆腐を作り、青菜や芋を柔らかく煮てお膳に添えた。ご飯は小豆を一緒に炊き込んだ玄米ご飯」というような献立。

 

とても美味しそうです。

 

とにかく登場するどの料理も美味しそうそうなんです。

手が込んでるのでしょうけど、それを手際よく作る主人公の佐保が魅力的です。

 

身近にある食材が体づくりに役立つということを江戸時代の人々は既に知っていたんですね。

 

本作を読むと自分の食生活を見直してみようという気になります。

ただ、美味しいものが作れるかどうかはわかりませんが。

 

 

4.あとがき

 

健康的であるには手間暇が必要なのでしょうね。

ジャンクはやはりいけません。

 

でもどこまで手間暇かけられるか?

一方、時間かけずに効率よく、も忙しい日々においては大事だし。

 

わかっちゃいるけど、ついつい惰性で・・・・になってしまってますね。

 

まこと悩ましいです。

 

作中に白髪の目立つ女性に黒豆を使ったぜんざいを作ってあげるシーンがあります。

白髪の白の反対に、黒いもの・・・なんですって。

 

白髪の増えてきた自分には大いに参考になりました。

 

それと色々なものを食すのがいいらしいです。

偏るのがいけないのでしょう。

 

こういう小説の形で、魅力的な主人公がいて、面白く読んでるうちに体にいい食事を考えさせてくれるのはいいと思いましたよ。

 

「お江戸 やすらぎ飯」鷹井伶 (角川文庫)