裸足で走ってみるかな...「みょうが斎の武術」
1.猫になろうとした男
「みょうが斎の武術」の主人公、みょうが斎こと久富源五郎は猫になろうとした男なんです。
彼、幕末のころの剣客です。
剣を磨くということは、とどのつまり反射神経を磨くこと。
敵の接近、敵の意図・殺意を感知し、危害を加えられないようにいち早く動く、防ぐ、場合によってはこちらから攻撃する。
野生の勘を取り戻すというか、野生動物が普通にやっている状態を理想とし、いかにそれに近づけるのか、を試行錯誤していくことそのものが剣を磨く、ということ。
そういう自分の思い付きを、本当にそれが正しいのか、自分の身をもって試してみる、それを自分の人生の目標にしてしまっている男がみょうが斎なんですね。
2.筋トレする目的は?
筋トレする目的というと、筋肥大させて例えばボディビルの大会に出場する。
あるいはダイエットのために筋トレする。
筋肉質の格好いい体を手に入れて、もてたい。
等々、動機としては色々あるのでしょう。
僕の場合は、動ける身体。
特に危機の場合、野生の勘を発揮して危機を回避できるのではないかと考えていました。
危機と言っても色々ありますが、例えば、危険な地域に足を踏み入れないとか、怪しげな人間がいそうな場所には近づかないというのもそうですね。
もっと身近に言えば、普段、通勤する道においても突然、横から自転車が飛び出してくるかもわからないし、暴走車が突っ込んでくるかもしれない。
そういうことをいつも気にしながらいつもの通勤路を歩いていると、常に四方八方に気を配ってないといけないという状態になってしまう。
で、これは疲れてしまいます。
もっと自然に、そういう危機を察知できるような身体と神経?を持ちたいなと考えてきました。
もっと言えば、雨ですね。
雨が降る前はちょっと風が冷たくなります。
そこで「あ、雨降るかな・・・」とわかることが時々あります。
そういった天候の変化、急変に敏感になるとか、そういうことも含まれますね。
何といえばいいか表現も難しいのですが、危機をいち早く察知し、また事前に回避し、そしていざとなったら全速力で逃げられる、そういった身体と(反射)神経を手に入れたくて筋トレをやってます。
筋トレの中にはダッシュやウォーキングも含まれますが、筋肉を大きくするためにやっているのではない、ということなんですね、私の場合は。
3.ベアフットランニング
自分の場合、ジョギングもランニングもやってはいないです。
面倒だなというのが一番にあって。
なので時間のかからない「短距離ダッシュ」だけはやってますが。
最近「ベアフットランニング」というのが流行になりつつあるようです。
裸足でのランニングです。
古代、狩猟と採集生活をしていた人間は獲物を追って裸足で何日も走っていました。
そのころの人間に戻ろう、という考え方なんだそうです。
トレイルランを裸足で行うのもいいかもしれませんね。
今は裸足に近い感触・機能を得られるランニングシューズというのも開発されているようですし。
僕が筋トレをやっている目的からすると、野生を取り戻すには、有効な方法のように思えていて興味はあるのですが、まだまだ踏み切れてはいません。
裸足で走れる場所もないし・・・とか言い訳をして。
4.みょうが斎が目指したもの
みょうが斎が目指した「猫になること」は、そういった意味で僕の筋トレの目的に近いんですよね。
とてもよく理解できたというか。
彼は土間で寝ていたようですが(土の上で寝る)、そういう意味では、キャンプとかサバイバルとかも今後、考えるべきかなあと頭の片隅にはあるんです。
でも正直なところ、やはり怖いので(夜がコワい?!)そんな思い切ったことができるかどうかわかりません。
無理せず、普段の生活の中で、野生を意識していく、ということからでしょうね・・・
あとがき:
「みょうが斎の武術」は司馬遼太郎短編全集第3巻に収められている短編です。
初出は1960年。
とても参考になる箇所が多くて付箋だらけになってしまいました。
中には、源五郎が片手懸垂もできると思わせる場面も出てきたりして、とても面白いです。